日産"ブラジル子連れ赴任ママ”、腹の決め方 1歳、7歳を連れ、いざ地球の裏側へ

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
拡大
縮小

本当は長男が5歳になった頃、赴任のチャンスはあった。

「でも、ちょうどその頃、2人目の妊娠が分かり、話はなかったことに。でも、2人目が1歳半になり少し落ち着くと、上司が『まだ行く気、ある?』と聞いてくれ、再びチャンスが巡ってきたのです」

小林さんの答えは、もちろん「行きます」。迷うことなく、当時7歳の長男と1歳半の長女を、同行させると決めた。

「昔からよく子連れで海外旅行をしていたので、息子はお父さんとお母さん、どちらが海外赴任しても『ついてきたい』と言っていたんです」

長男は英語、長女はポルトガル語

赴任地は、有名なイグアスの滝の近くの町。田舎町ゆえ治安にさほどの心配はないが、何といっても苦労したのが子どもの学校探しだ。

「上の子はほとんどインターナショナルスクールに入れる以外選択肢がありませんでした、下の1歳半の子は小さすぎてインターにも入れない。現地の保育園探しに奔走しました」

ベビーシッターを面接して雇うのも、家を探すのも、誰にも頼れない。こうした課題、一つひとつを、地道にクリアし、結局小林さんはいつも自力でどうにかしてしまう。赴任後も、生活の多言語ぶりには悩まされたが、それさえも楽しんだと言うから、頭が下がる。

「長男の学校の共通語は英語。長女の保育園は現地語であるポルトガル語。仕事は、英語とポルトガル語が半々という環境で、赴任後は言葉の錯綜ぶりに目が回る事もありました。でも、子どもって親の精神状態を敏感に感じ取るので、つらい顔はしませんでした。子どもとバスに乗っても『いろいろな髪の色の人がいて楽しいね』なんて、楽しむことばかり考えていましたね」

次ページ12時間の時差は、むしろ使える!
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT