MBA官僚がつかんだ、日本変革のヒント シカゴ大の名物授業で、真のベンチャー魂を見た!

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官僚がMBA留学をして、どのように日本を変えてくれるのだろう? 国費での留学は、とかく、国へのリターンが厳しく求められがちだ。
今回は、そんな官庁からの留学生が米国のビジネススクールにおいて、どんな視点で何を学び、何を日本に持ち帰ってくれるのかをお伝えする。
「超一流MBA校で戦う日本人〜世界一すごい授業が人生を変える」。第7回目にご登場いただくのは、シカゴ大学ブースビジネススクールに留学中の森田博和さん(32)。
大学院時代、航空宇宙工学を研究していた森田さんは、「研究者になるより、宇宙技術のイノベーションを通じて、地球規模の問題を解決したい」と経済産業省に入省。
内閣府宇宙戦略本部で、宇宙開発利用に関する政策の企画、立案を担当するうち、最先端の技術やビジネスをアメリカで学びたい、とMBA留学を志した。
2011年8月、シカゴ大に留学したが、時は東日本大震災直後。「経済産業省の同僚は、復興のために必死で働いているのに、自分はアメリカにいていいのか?」と自問自答する日々だったという。
そんな森田さんに「MBA留学で学ぶべきこと」を教えてくれたのは、ある起業家精神の授業だった。
今回は、1つの授業を通じて、大きく成長した森田さんの“ベンチャーコンペ挑戦記”をお伝えする。

僕の専門分野は、投資価値がない?

2011年夏、シカゴ大学ブースビジネススクールに留学した森田博和さん(32)は、得体の知れない焦燥感に襲われていた。

渡米前、経済産業省の同僚たちは、電力対策、各省横断の復興支援チームでの復興支援、被災地の自治体に出向いての支援など、極限状態で働いていた。

経済産業省の前では、国の対応に不満を抱いた市民団体からの怒りの声が飛び交っていた。批判や厳しい声を受け止めながら、中で働いている人たちは皆、使命感を持って、必死で任務に取り組んでいたという。

そんな同僚たちを後にしての留学だった。

次ページ米国は、宇宙産業の本場のはずなのに…!
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