難関を突破してシカゴ・ブースに合格したとはいえ、留学中の自分が今、日本のために何ができるのか、悶々とする日々だったという。
「最初の3カ月は、もがき続けていた感じです。『ただ、ここで授業を受けているだけでは努力が足りない』『何か挑戦しなくては』『一刻も早く日本のために貢献できることを吸収しなくては』と、ものすごく焦っていました」
「考えるよりも行動しよう」と森田さんが挑戦したのは、シカゴ市内で頻繁に開催されているビジネスコンペティションだ。
日本発のベンチャービジネスが生まれ育つ環境を作り、支援していくには、どうしたらいいか。それを学ぶことが、今、自分にできることだと思ったからだ。
森田さんは、早速、シカゴ・ブースが共催するSeedConというビジネスコンペに参加。専門の宇宙事業で勝負することにした。宇宙産業の本場アメリカで、宇宙ビジネスはニーズがあるに違いないと思ったのだ。
ところが、投資家の反応はいま一つだった。
次に、挑戦したのは、シカゴインタラクティブマーケティング協会が主催する「Chicago Digital Startup Initiative」というコンペ。シカゴの同級生に協力を仰ぎ、さまざまな宇宙事業をプレゼンテーションしてみたが、やはり、投資家の理解は得られなかった。
「今から思えば、僕のプレゼンテーションの仕方も、至らなかったのかもしれません。自分の未熟さばかりが目について、本当にマイナスからのスタートという実感がありました」
そんな試行錯誤の毎日から脱出するきっかけとなったのが、シカゴ・ブースの名物授業、スティーブン・カプラン教授の「New Venture Challenge」(新しいベンチャービジネスへの挑戦)だった。
2011年12月、1年先輩の日本人学生から、同じチームで挑戦してみないかと誘われたのがきっかけだった。チームには、ほかにブラジル人とアメリカ人の学生が加わった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら