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臓器移植は新時代に突入。臓器の保存方法の常識を覆したアメリカの「TransMedics」が大躍進

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本連載「Strainer Report」はわかりやすい図表に定評のあるストレイナーの決算分析記事のうち、海外企業に関するレポートを掲載しています。詳細はStrainerをご覧ください

多くの命を救う「臓器移植」ですが、常に提供臓器の不足に直面しています。限られたドナーからの臓器をいかに無駄なく移植に活かすかが、医療界にとって長年の課題でした。

中でも重要な要素の一つが、臓器の保存方法です。従来、臓器は提供後すぐに氷冷保存液に浸して輸送されます。低温下では時間の経過とともに劣化するため、遠方への搬送には制約がありました。 この常識を覆したのが、今回紹介する米国の医療機器企業TransMedics社です。

同社が実用化したのは、提供臓器に血液を循環させ、生きた状態で保存する「臓器ケアシステム(Organ Care System, OCS)」。心臓や肺、肝臓など複数の臓器に対応できるポータブル装置です。これがパラダイムシフトとなり、臓器の損傷を劇的に抑制することを可能にしました。

その結果、これまで使用を断念していた心停止後提供(DCD)の心臓・肺など「捨てられていた臓器」を有効活用できるように。これが移植数の拡大につながり、同社自身も大きく業績を伸ばしました。年初来株価は倍増し、時価総額44億ドルに達しています。

臓器保存の常識を変えた革新的企業

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