肝臓は”マンション一つ買える”金額も、≪海外で臓器移植≫に踏み切る切実な事情とは。選択肢のない患者に「座して死を待て」と言えるか
肝臓は「マンション一つ買える」額
難病患者支援の会を通じて、2013年に中国で移植を受けた患者を取材した。
「肝臓がんと診断され、医師からは余命半年の宣告を受けていました。こちらは命がかかっている。症状は日々悪化していく。いつ提供されるともわからない日本臓器移植ネットワークになんか頼っていられません。あの時、中国での移植を決意しなければ、今、私は生きていません」
日本臓器移植ネットワークによれば肝臓移植の待機期間は約1年といわれている。腎臓と比較すれば待機期間は短い。これは肝臓移植が必要な患者の余命は1年以内であり、それを過ぎると患者が死亡するケースが多くなるからだ。
肝臓移植を希望して日本臓器移植ネットワークに登録した4200人(累計)のうち、1744人(42%)が死亡している(2023年12月時点)。実際、年間100件余りしか移植手術はなされないのだ。そのために家族、親戚から提供してもらう生体肝移植に切り替えるか、あるいは海外での移植に希望を見出すしか術がなくなる。


















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