MBA官僚がつかんだ、日本変革のヒント シカゴ大の名物授業で、真のベンチャー魂を見た!

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この授業を受けるには、まず、予選がある。ビジネスコンペティションのアイデアを提出して、書類審査を通過しなくてはならない。100チームが挑んで、30チームしか選抜されない難関だ。

シカゴ大の名物授業を教える、スティーブン・カプラン教授

ビジネススクールの授業ではあるが、シカゴ・ブースの在校生が1人でもいればコンペに参加できるため、「シカゴ地域で最大のビジネスコンペ」と言われている。

医療、ハイテク、金融、法律など、さまざまな専門分野を持つシカゴ・ブースの学生をはじめ、大企業の社員、ベンチャー起業家など、ビジネスプランを作るプロも多く参加している。

予選は、2012年1月。ビジネスプラン作成は、ビジネスコンペに何度も出場経験のある森田さんがリードすることになった。

ここで、森田さんは大きく方向転換することを決める。自分の専門である「宇宙」で挑むことをやめたのだ。

「予選を通過するためには、現状では、宇宙ではダメだと思いました。より具体的で、わかりやすく、投資家が興味を持つ別のプランを考えなくてはいけないと、必死でプランを練りました」

 君たちのビジネスプランが、“最下位”だよ

ビジネスプランを考えるうえで、森田さんがこだわったのは、「日本らしさ」と「自分らしさ」だ。

シカゴ大学ブースビジネススクール
アメリカ・イリノイ州、シカゴ大学の経営大学院。1898年創立。全米最古のビジネススクールの1つ。教員数は約200名、6名のノーベル賞経済学賞受賞者が教鞭を執る。ファイナンス、会計、経済学の分野での最高峰。トップ校の中でも、アカデミックな校風で知られる。学生は、卒業後のニーズに合わせて、1年目から、柔軟にカリキュラムを組めることが特徴。卒業生の3割がコンサルティング、3割が金融業界へ進む。
(日本語ウェブサイト)

経済産業省出身の森田さんにとって、コンペは、アメリカの投資家が今、日本のどんなビジネスに投資したいと思っているのか、実地で調査する絶好の機会でもあった。

「『自分にしかできないこと』『日本のためになること』『市場の需要』などを考える中で、コンテンツを軸に勝負しようというアイデアが出てきました。

僕はもともとモダンアートが好きなのですが、すばらしいアーティストやクリエーターが世の中に出てきても、日本市場だけでは経済的に持続することが難しく、その道を諦めた人をたくさん見てきました。この状況を変えるようなビジネスを作りたい、と思ったのです」

日本のグラフィックアーティストと、アメリカのオンラインゲーム会社などを結びつけるビジネスで、勝負することに決めた。社名は、Origami, Inc (オリガミ社)と名付けた。日本らしさを演出するために、あえてわかりやすい社名にしたという。

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