英文で「ついaboutをつける病」にご用心! 「微妙に惜しい」という印象を残す表現

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「自動詞」と「他動詞」の混同は、「微妙に惜しい」という印象を残します(写真:KAORU / PIXTA)
「英語公用語化」を推し進める楽天など、多くの企業研修の場でビジネスパーソンに英語を教えてきた英会話イーオンの人気講師、箱田勝良氏。これまで約1万人に教えた経験から、多くの人に共通する「弱点」が見えてきたといいます。今回は、「微妙に惜しい」という印象を与えがちな動詞の使い方について取り上げます。

筆者が企業の英語研修で教えている中で、よく聞く間違いがいくつかあります。そのひとつが「自動詞」と「他動詞」の混同です。

「自動詞、他動詞ってそもそもなんだっけ」……という方も少なくないと思いますが、run 「走る」のように目的語なしで成立する動詞と、buy「買う」build「建てる」みたいに「何を」という目的語がないと成立しない動詞、と言うと少し記憶がよみがえってくるでしょうか。

実はこの区別ができていないと、ネイティブには「微妙に惜しい英語」に聴こえます。しかも、間違っていても意味が通じてしまうので、ふだんのコミュニケーションでは気づきにくく、うっかりミスとは違って、ずっと同じ間違いを繰り返しているケースが多いのです。「通じるからいい」と見過ごしていると、その間違いがあなたの話し方の印象になってしまうかもしれません。

ただ、両者の見分け方はなかなかの難問。それは日本語についても同じようです 。先日、同僚のジョンに「日本語の自動詞と他動詞は、どうやって覚えますか」と聞かれました。筆者は「え? 日本語にも自動詞と他動詞ってあるの?」と逆に質問してしまいました。

ジョンは日頃「壊れる」と「壊す」のように似た動詞を特に混同してしまうようなのです。英語でもraise「上げる」rise「上がる」や、lie「横たわる」lay「横たえる」のように似たものはよく混同しますよね。「ひたすら覚えるしかないんじゃない?」と答えたのですが、そういえば、前に筆者が教える生徒さんからも同じ質問を受けたことがあるのを思い出しました。

aboutを入れるかどうかが大問題!

この連載の過去記事はこちら

某官公庁のタロウさんは、自身も研修に参加する立場ですが、同時に研修担当責任者でもあります。ある日の研修後、一緒にほかの研修生たちが退室するのを見送っているとCan you stay a little longer today? (今日、少し残れますか)と聞いてきました。「大丈夫ですが、どうしたのですか?」と聞くと

× I would like to discuss about our training curriculum for the next term.

「来期の研修カリキュラムについて話し合いたい」とのこと。言いたいことは理解できましたが、英文的には間違っていました。discussは他動詞なので、aboutという前置詞はつけずに、直接目的語に繋がります。ですから、正しくは

I would like to discuss our training curriculum for the next term.
(来期の研修カリキュラムについて話し合いたいのです)

と言わなければなりません。

discuss ○○「○○について話し合う」という意味ですから、aboutを入れてしまうと「『○○について』について話し合う」と意味がダブってしまいます。通じることは通じますが、やっぱり間違いなので聴いたときにすごく違和感があります。タロウさんに限らず、多くの日本人が同じ間違いをするのをよく耳にします。

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