英文で「ついaboutをつける病」にご用心! 「微妙に惜しい」という印象を残す表現

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筆者なりに考えてみたのですが、この間違いの原因のひとつは、名詞のdiscussionを使うときにaboutをつけることかもしれません。

discussion、talkが元凶?

have a discussionを使うと

I would like to have a discussion about our training curriculum for the next term.
(来期の研修カリキュラムについて話し合いたいのです)

となるのです。そのせいでdiscussという動詞にもつけたくなってしまうのでしょうか。

もうひとつ考えられる原因はtalkという動詞かもしれません。こちらは自動詞ですので、「○○について話し合う」というときにはtalk about ○○aboutをつけなければいけないのです。逆にtalk ○○とすることはできません。

I would like to talk about our training curriculum for the next term.
(来期の研修カリキュラムについて話し合いたいのです)

もしくは、単純に日本語から訳して話していると「~について」の部分で、どうしてもaboutと言いたくなってしまうのかもしれません。気持ちはすごくよくわかります。でも、discussにはaboutをつけないこと、みなさんはしっかり覚えておいてくださいね。

どうせ残って話すのだし、時間は大丈夫かなと思い、Can I tell you something before the meeting?(話し合いの前にちょっといいですか)と聞くと、不思議そうな顔でうなずくタロウさん。よい機会だったので、自動詞と他動詞についてその場で説明しました。すると、Thank you for the private lesson!(マンツーマンレッスンありがとうございました!)と非常に喜んでくれました。

その後、無事にカリキュラムの話し合いが終わって、帰ろうとする筆者を呼び止めたタロウさん。「さっきは英語だったので聞けなかったのですが、自動詞と他動詞ってどうやって覚えたらいいですか」。

まさか、この数カ月後に同僚のジョンから同じ質問がされるとはつゆ知らず、タロウさんにもやはり「これは法則があるわけではないので、ひたすら覚えるしかないと思いますよ」と伝えました。

みなさんも、新しく動詞を覚えるときには自動詞なのか他動詞なのかを意識して覚えるようにするとよいでしょう。でも機械的に覚えていくのが苦手な方は、その動詞を使った例文を暗記してみてください。文の方が、使う状況がイメージしやすいので記憶に残りやすいみたいです。また、文で覚えておけば、あとでその文を思い出しながら、動詞に前置詞がついているかどうかで、自動詞なのか他動詞なのかが判別できるので便利です。

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