もうひとつ、過去の記事で薬物依存について書いたことがあります。ここでは、FF行動(Fight or Flight Response=闘争・逃走反応)と呼ばれる学説を紹介し、動物は恐怖に反応するとFight (闘う)または Flight(逃げる)の選択をすることから、人間も逃避行動の一環としての依存行動を選択してしまうケースがあることを書きました。
今般の小学校教諭が起こした事件も、事実を直視せず逃避し、匿名での誹謗中傷行為に依存した、と見ることができます。そして、匿名という卑怯な手段は、自分自身の罪悪感となり、この連載で再三述べている不安、後悔などの「一次感情」という怒りのもとに行き着きます。
野球賭博問題で所属球団を解雇された選手たちにも、同じことが言えそうです。ケガが復調しないという「不安」や「焦り」から逃避したい一心で、ギャンブル依存につながってしまったのかもしれません。
どのケースも、最初は「1回だけ」のつもりだったのかもしれませんが、その1回目ですでに、負のスパイラルにどっぷり依存する流れはできつつある、と、肝に銘じておきたいですね。
この「依存」を断つには、問題の原因を解決しなければならず、これら一次感情としっかり向き合わなければなりません。「依存」や「逃避」は、問題の先送りに過ぎず、状況を悪くする一方なのですから。
蛭子さんの人生相談は何がすごい?
さて、ここでやっと蛭子さんの登場です。人生相談本の売れ行きが好調なうえ、日めくりカレンダーが発売されたり、ほかにもさまざまな媒体で取り上げられるなど、注目が高まっています。それはきっと、蛭子さんのゆったりとした雰囲気や、冗談のようで実は鋭い着眼点に、多くの人が魅了されているからでしょう。
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