前回は、ニューヨークヤンキース・田中将大投手の怪我治療の際の冷静な感情コントロールから、私たちが窮地に陥ったときの対処方法を考えました。そして、怒っても仕方がないことには、具体的・現実的対処策を考えるしかないことをお伝えしました。
今回は、「怒りを原動力」にしたというノーベル賞受賞者の中村修二教授と、有名女優が当事者であるか否かが注目されている「落書き騒動」をもとに、有効かつ賢明な「怒り方」を「選択」することについて考えてみます。
「研究の原動力は『アンガー(怒り)』だ」
青色発光ダイオード(LED)の開発で、2014年のノーベル物理学賞に決まった中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授は、会見の席で、研究の原動力について「アンガー(怒り)だ。今も時々怒り、それがやる気になっている」と力を込めました。
青色LED開発後、当時の勤務先と特許を巡っての訴訟に至った経緯に触れ、「怒りを前向きなパワーに転換してきた」ことを強調。具体的には、以下のようなことを述べられています。
怒りの感情は、何かを壊すことも多い一方で、建設的なパワーにもなります。不満、劣等感、怒りなどの負の感情であっても、それらをエネルギーに転換して上手に活用できたならば、自分の未来や人生を大きく変えることにもつながることを示してくれた大偉業と言えましょう。
私たちも、怒るならば、生産性を伴うような「怒り方」を「選択」したいものです。ただ、残念ながら上手な「選択」をできないために、怒りがまったく逆向きのエネルギーになって噴出してしまうこともあります。
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