超ホワイト企業は“怒りの芽”をうまく摘む 未来工業ではなぜ社員が能動的に動く?

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超ホワイト企業との呼び声高い未来工業。アンガーマネジメントの観点からも、学べる点が多くありそうです(写真:artist INTERNATIONAL/アフロ)

前回は、ノーベル賞を受賞された中村修二教授が、会社員時代に会社に対して感じた怒りを原動力に研究のモチベーションを上げていたという話を書きました。つまり、自分の怒りとの上手な付き合い方についてです。

今回のテーマは、「自分」ではなく「他人」です。未来工業の創業者で、今年7月30日に逝去された山田昭男氏による社員の有効活用法から、「他人の怒り」との上手な付き合い方を考えます。

残業禁止、1日7時間15分労働、年間140日の休暇

岐阜県大垣市に本拠を置き、電気設備資材等の製造販売を行う未来工業。この会社の人材管理は、他社と大きく異なっていることで有名です。

そもそも「社員を管理するなんて、まったくのムダだよ」と山田氏が述べていたことから、「管理」という言葉を用いること自体誤っているのかもしれません。

未来工業における会社と社員の約束事は、以下のようなものです。

・タイムカードなし、残業なし
・1日7時間15分労働
・育児休暇は最長3年(何度取ってもいい)
・年間140日間の休暇(年末年始は20日連休)
・定年70歳(60歳を超えたからといって給料が減額されることはない)
・パート、派遣労働者は置かない(全員が正社員)
・「ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)」は禁止して現場へ大幅な権限委譲
・失敗は何度してもいい(ただし同じ失敗は許さない)
・ノルマ禁止
・制服を強制しない

 

これとは逆に、半ば強制的な長時間労働や、育児休暇に入る女性社員の冷遇、休日・休暇を取りづらいといった社風がある会社は、働く人の不満を生み、不満が溜まれば、それが「怒りのもと」となります。

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