「最新版!『40歳年収が高い会社』トップ300」「独自試算!『30歳年収が高い会社』トップ300」「『給料が30代にグンと増える会社』トップ300」。東洋経済オンラインはここ3週間で、上場企業を対象に3つの給料ランキングをお届けしてきた。給料はビジネスパーソンの活動の源泉。各ランキングとも幅広い読者から、大きな反響を呼んだ。
給料の多寡は収益力や経営方針など企業ごとの要素もあるが、「どの業界に属しているか」ということも影響する。業種・業態が同じだとビジネスモデルや行政の規制、それに沿った利幅の大きさ、従業員への分配の仕方などにも似通ったところがあり、横並びの意識も生じる。決して売り上げが大きい業界だからといって、給料が高いとも限らない。
そこで今回は上場企業約3500社を対象に、最新の有価証券報告書(2013年6月期~2014年5月期)の公開データと、厚生労働省が調査・発表している「平成25年賃金構造基本統計調査」などから、業界別の給与動向を調べた。具体的には上場企業を33業種に分類。それぞれに属している企業の大卒初年度、30歳、40歳それぞれの年収を推計して、業界ごとにランキングした。参考データとして、「全産業平均」も1業種にカウントとして加えた。
陸運は大卒初年度6位、40歳では26位
詳しいランキングは次ページ以降に記載しているが、大卒初年度の1位は鉱業。資源系の企業で構成する業界だ。30・40歳推計年収でも高順位を確保する。30・40歳推計年収の1位は保険業。大卒初年度でも同2位と安定的に給料の高い業界といえる。
そのほか、大卒初年度年収では比較的高い順位であっても、30・40歳ごろになってくると相対的に順位が落ちる業界もちらほら。たとえば陸運は大卒初年度は6位に付けているが、40歳では26位へと落ち込む。
逆に大卒初年度では30位前後の銀行や証券・商品先物取引業、その他金融、情報・通信業などは年齢を経てくると給料の水準が全体的に上がってくる。大手総合商社が属する「卸売業」が、40歳推計年収で全産業平均以下の順位となっていることは意外な結果かもしれない。総合商社の給料は確かに郡を抜いて高いが、一般的な卸売り企業は、利幅が総じて厚くないことが影響しているといえるだろう。
それでは次ページ以降から「大卒初年度年収」「30歳年収」「40歳年収」(いずれも推計)の33業界別ランキングを見ていこう。