｢ジャングリア沖縄｣と協業契約を結ぶオリオンビールが9月にも東証上場へ、沖縄の製造業では初めての上場

米投資会社カーライル･グループが出資する飲料メーカー､オリオンビール（沖縄県豊見城市）が早ければ9月にも東京証券取引所に上場することが複数の関係者への取材で分かった。沖縄県の製造業としては初の上場となる見通しだ。

オリオンビールは新規株式公開（IPO）の主幹事に野村ホールディングス傘下の野村証券､SMBC日興証券､みずほ証券を起用し､上場日やIPOの規模など詳細については来週にも発表される見込み。非公開情報であることから､事情に詳しい複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。上場時期などは変更される可能性もある。

オリオンビールは沖縄を代表する老舗ビールメーカーで､カーライルと野村HD傘下の投資会社が2019年に買収した。ビールを中心にワインや清涼飲料を販売し､観光やホテル事業も手がける。ノンアルコール飲料などへの需要の多様化を背景に､足元のビール販売は厳しい状況が続いており､今回の上場は業界の成長性に対する投資家の見方を測る試金石となる。

オリオンビール､野村HD､SMBC日興､みずほの広報担当者はコメントを控えた。

現在の株主構成は､カーライルと野村キャピタル･パートナーズがそれぞれ約40％､アサヒグループホールディングスと近鉄グループホールディングスが約10％ずつを保有している。

また､オリオンビールはブランドの認知と観光事業の強化を図るため､7月に県内北部に開業した大型テーマパーク｢ジャングリア沖縄｣と協業契約を結んだ。同施設内でビールや泡盛を独占提供している。

著者：日向貴彦､田村康剛