「修造の日めくり」は、だからバカ売れする 実は「感情コントロール」の技術が満載

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松岡修造さんの「熱血ワード」の数々からは、アンガーマネジメントの手法をたくさん学べます!(写真:アフロスポーツ)

前回記事では、「モラハラ離婚を遠ざける"擦り合わせ"の技」として、「べき思考」の擦り合わせ方法を紹介しました。感情コントロールの仕方しだいで、いらぬ家族ゲンカを避けられるとおわかりいただけたと思います。

今回は打って変わって、明るい話題です。松岡修造さんの『まいにち、修造!』(PHP研究所)という日めくりカレンダーが、65万部超の大ベストセラー(平成27年2月18日時点)になっていることをご存知でしょうか。その日々のメッセージをアンガーマネジメントの観点で紐解き、ヒットの要因を探りたいと思います。

きっかけは、消極的な自分への応援?

バカ売れ中の『まいにち、修造!』(PHP研究所)

これまで、前連載の第1回目にロジャー・フェデラー選手、本連載の第1回目には錦織圭選手のアンガーマネジメント的思考方法を取り上げましたが、3人目のテニスプレーヤー、松岡修造さんの考え方にも、アンガーマネジメントと相通じる部分がたくさん見られます。

『まいにち、修造!』には全部で31日分、31のメッセージが掲載されていますが、まず注目は、「はじめに」の部分にある、ご本人のコメント。

「本当の僕はどちらかといえば消極的で、決して強い心を持った人間ではありません。だから、常に前向きな言葉で自分を応援し続け、心を強くしようとしてきました」

強い心を持つことができれば、自己肯定感を育みやすく、その結果、少々のことに動じなくなって、イライラしにくくなります。逆に、消極的な弱い心は、不安や心配を招きやすく、また「第一次感情」という「怒り(第二次感情)」のもとを増幅させてしまう傾向があります。

このように、日めくりには松岡さんの「心を強くしよう」という意識的な取り組みが明快に示されています。そして、それらは日本アンガーマネジメント協会が提唱している、30種類の「アンガーマネジメント・テクニック」という技術論との共通項が非常に多いのです。今回その全部を紹介することはできませんが、そのうちの一部がどのような有用性があるのかを考えてみたいと思います。

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