まずは「2日」のページ。「考えろ!考えるな!」というタイトルが付されており、そのコメントとして、
とあります。これは、アンガーマネジメント・テクニックで言うところの「不安ログ」の考え方と一致します。
「不安ログ」とは、怒りのもととなり得る自分の「不安」を書き出し、そのストレスが自分にとって「重要か否か」を判断、重要なら、自ら「コントロールできるか否か」を仕分ける、という手順で行います。この作業を通じて、漠然としていた自分の不安を客観視でき、自分の力ではどうにもならない不安があることを理解し、自分の力でコントロール可能なことに集中できるのです。
不安の種類を仕分けたら、優先順位をつけます。①「重要かつ、コントロール可能」な不安は積極的に解消し、②「重要でないが、コントロール可能」であれば、余裕時にゆっくり解消。③「重要だが自分でコントロール不可」な不安は、深く考えず事実を粛々と受け容れるようにし、④「重要でなく、コントロールも不可」ならば放っておく、といった具合に対処できます。
このような整理をうまくできれば、むやみやたらと不安に怯えることはありません。松岡さんも「考えろ!考えるな!」に、そんなメッセージをこめていらっしゃるのではないでしょうか。
「できるよ、修造!」は上手な気持ちの切り替え法
別の観点のものもご紹介しましょう。「10日」のページには、「失敗しても全然OK!」というタイトルが付されており、コメントには「ベストを尽くした結果の失敗なら、僕は『全然OK!』と声をかける」とあります。また「16日」のページには、「鏡に向かって『できるよ、修造!』」、コメントとして「毎日続けると言葉が体に染み込み、自然に行動へと移せるようになる」とあります。
これらは、「ポジティブセルフトーク」というアンガーマネジメント・テクニックと通じるところがあります。これは気持ちを高揚させるために、あらかじめ自分で決めておいた「プラス思考フレーズ」で、不当な評価を受けたことで気持ちが折れそうな時、忙しすぎてイライラした時などに、自分を鼓舞しようとするものです。
やり方は簡単。「今こそ成長のチャンスだ」「このままでは終わらないぞ」「明日で流れが変わるはず」など、自分ならではの力強い言葉を唱え、自分を激励します。辛さを上手にマネジメントできたら、新たにポジティブな目標を見つけられるかもしれませんよね。
このように、言葉を上手に使うことで感情をコントロールしようとする技法が、アンガーマネジメントには複数あります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら