「静かな退職」選ぶ若者のホンネ。不満言わず「割り切って働く人」のサインこそ見逃してはいけないワケ
人が組織で生き生きと働き続けるためには、「会社に対する自信」「商品・サービスに対する自信」「職業に対する自信」「自分に対する自信」、この「4つの自信」が不可欠です。特に誠実な社員は、顧客志向が強いため、「この商品(サービス)は本当にお客様のためになっているのか?」という葛藤に人一倍弱かったりします。例えば、研修会社である我々の例で言えば、受講生が「実行力不全」で成果が出ない時に、それを顧客のせいにしてフォローしなかったり、不誠実な対応を取ったりすれば、それを見た誠実なコンサルタントは「果たして本当に人の役に立てているのだろうか」と悩み始めます。会社の「商品(サービス)」や「顧客への姿勢(会社)」に対する自信が崩壊した時、彼らは自分の仕事の意味を見失い、離職という決断に至るのです。
事前の一手が肝心
『社長、ちょっと時間いいですか』と社員から切り出される時、多くの場合、彼らの決意は固まっています。彼らが『静かな退職』状態に入り、完全に心が離れてしまってからでは遅いのです。「やめると決めてから手を打つのではなくその前に手を打っていくこと」が何よりも重要です。
これは夫婦関係に似ています。「離婚は決断してからフォローするよりも、別れる前にちゃんと旅行行ったり一緒にご飯食べたり、努力しなきゃだめだ」という考えがありますが、この通り、すべては関係性が壊れる前の「事前の一手」 にかかっています。
まず、経営者自身が時間の使い方を根本から見直す必要があります。 私は今でも、社員と食事に行き、その場の空気を感じることを大切にしていますし、かつては全社員の日報を全部見ていました。それは、社員の「心の状態」を把握するためです。定期的な面談、食事会、日々のコミュニケーション。どのような形であれ、経営者や管理職が社員一人ひとりの状態を知るために意図的な時間を確保し、心理的な距離感を縮める努力を惜しんではいけません。これはコストではなく、組織の未来を守るための「投資」です。
誠実な社員がSOSを出しやすい環境を作るために、「外的コントロール(批判・責める)」を組織から徹底的に排除しなければなりません。そして、その代わりに「傾聴する、支援する、励ます、尊重する、信頼する、受容する、意見の違いについて常に交渉する」という、いわゆる「リードマネジメント」のスタイルに切り替えるのです。リーダーが「支配者」から「支援者」に変わることで、部下は安心して自分の弱さや悩みを打ち明けることができ、組織内に心理的安全性が育まれます。



















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