「静かな退職」選ぶ若者のホンネ。不満言わず「割り切って働く人」のサインこそ見逃してはいけないワケ

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勤怠の変化

心の状態は、必ず具体的な行動にも現れます。真面目だった社員の遅刻が増える、体調不良により休みがちになる。これは単なる体調管理の問題ではなく、多くの場合、心が限界に近づいているという明確なSOSであり、メンタルヘルス不調のサインでもあります。

誠実な社員が「心を閉ざし」、去っていく組織の特徴

彼らが『相談』という形でSOSを出せず、静かに心を閉ざし、最終的に離職を決断する組織には共通点があります。

①「外的コントロール」が常態化している

職場で、上司や先輩が「批判する、責める、文句を言う、ガミガミ言う、脅す、バツを与える、目先の褒美で釣る」といったコミュニケーション(これを選択理論心理学(注)では「外的コントロール」と呼びます) を日常的に行っていないでしょうか。このような「支配的」な環境では、誠実な社員ほど「自分が悪いのだ」とすべてを抱え込みます。彼らは反論したり、助けを求めたりすることができません。その結果、「葛藤が起きて苦痛感情が引き出されて、それが離職の原因になる」のです。

(注)選択理論心理学:アメリカの精神科医ウィリアム・グラッサーによって1960年代に提唱された考え方。人は外部から操作される存在ではなく、内側にある五つの基本的欲求と「上質世界」と呼ばれる理想像を満たすために自らの行動を選択していると説明する心理学。
②リーダーに対する「尊敬」が失われている

部下は、尊敬できないリーダーのために頑張り続けることはできません。

「尊敬」とは、役職や権力によって得られるものではありません。それは、その人の「やり方」以前の「あり方(在り方)」に対して生まれる感情です。 部下が見ているのは、「世のため人のため」という公の心、つまり「利他の心」を持っているかどうか。そして、「約束を守る」、「お客様に対して誠実である」かどうか、です。 逆に、「どうしたら安く済ますことができるだろうか」と自分の損得ばかり考えたり、「社員を安く使おうとする」ような「利己的な人間」であることが透けて見えると、部下の心は急速に離れていきます。誠実な社員ほど、リーダーの不誠実さや利己的な「あり方」に敏感であり、「この人のために頑張ろう」という意欲を根本から失ってしまうのです。

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