中国で旧日本軍《731部隊》題材の映画が公開…反日感情への影響は?「被害者意識」について北京の"政府系機関紙"編集者と議論してみた

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小説「雪風」
小説版『雪風』。映画では竹野内豊が主演を務めた(筆者撮影)

北京の政府機関紙・編集者と議論してみた

筆者は最近、北京の政府機関紙で編集者を務める女性と、日中両国の戦争映画・ドラマについて意見を交わした。

彼女はこれまで、いくつかの日本戦争映画を観たことがあるらしい。その主張は、政府の公式見解に近いものに思われる。

「日本の映画はいつも日本の『被害者』像を強調している。日本が侵略戦争を起こし、アジア諸国に甚大な被害を与えた歴史的罪についてはほとんど触れていない。日本が映画を『戦争の物語化ツール』として利用する手法は長年続いており、戦争を真に反省しているようには見えない」

「日本映画に見られる普遍的な『反戦』表現は、『戦争そのものが悲劇』『誰もが戦争の被害者』と強調することで、侵略の責任を「人類共通の苦難」にすり替えていることが多い。これにより、侵略や加害の実態が隠され、歴史的事実に対する責任が曖昧にされてしまう効果を生んでいる」

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