
酒造りベンチャーが散見

今回は公益財団法人にいがた産業創造機構と経済産業省関東経済産業局が共同で選定している「J-Startup NIIGATA」の顔ぶれを紹介する。主に新潟県内に本社ないし事業所を置く有望スタートアップ企業から、2024年12月時点で3期延べ31社が選定されている。
所在地別内訳を見てみると、31社中18社が新潟市、4社が長岡市、2社が佐渡市、3社がその他の新潟県、4社が東京都内という分布になっている。なおKUNOは、2025年に破産を申請し、リストから除外されている。
新潟県は米どころで、日本酒生産量が全国3位、酒蔵数1位というエリアである。日本酒レコメンドサービス「Sakeai」を運営しているサケアイなどは新潟っぽいサービスを提供している。
また、ウイスキーやスッポンなど、新潟県の地元の特産品と言うわけではないプロダクトをゼロから新しく挑戦している企業がいる点も興味深い。
例えば日本酒王国である新潟県でウイスキー製造を手がける新潟小規模蒸溜所は2019年の設立で、ウイスキー蒸溜所「亀田蒸溜所」を運営している。2023年のウイスキーの世界的品評会で、亀田蒸溜所の銘柄が賞を受賞。最近は秩父のイチローズモルトなど、日本のクラフトウイスキーブランドは人気になっており、亀田蒸溜所も注目の存在だ。
また南魚沼市の魚沼スッポンは、スッポンの養殖のスタートアップである。八海山近くの温泉水を飼育水に用い、さらに地元の八海醸造の日本酒「八海山」の酒粕を餌に配合するなど、高品質なスッポン(肉)を育てている。新潟県小千谷市の錦鯉が、訪日外国人観光客の人気となっており、海外ユーザーにも同様にウケそうだ。さらに輸出で外貨を稼げるプロダクトなので、海外展開も期待できそうだ。
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