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米中二大巨頭に依存しない「ソブリンAI」の動きが活発化、無名AIスタートアップを抜擢する動きも

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EUは2025年4月に「AI Continent Action Plan(AI大陸行動計画)」を発表、エコシステム構築に200億ユーロ(約3.5兆円)の投資を行う (写真:Thierry Monasse/Getty Images)

AI技術が国家競争力を左右

欧州・中東をめぐる緊張が高まる中、覇権争いは軍事や資源だけでなくAIにも及んでいる。AI技術の覇権を握ることこそが、21世紀の国家競争力を左右する可能性がある。

生成AIの登場に加えて、金融引き締めによる資金調達の難しさ、イグジット環境の変化など……スタートアップをめぐる環境は大きく変化している。週刊東洋経済の恒例特集「すごいベンチャー」を連載化。連載の一覧はこちら

現在のAI開発やAIインフラはアメリカや中国など少数の超大国に集中している。アメリカの巨大テック企業がLLM(大規模言語モデル)開発を主導しており、中国でもAlibaba(アリババ)やDeepSeek(ディープシーク)といったオープンソースLLMの台頭が著しい。

アメリカのAIスタートアップの約80%が中国のオープンソースのLLMを使用しているともいわれている。また、自国に主要なAIデータセンターを持つ国は全体の16%にとどまり、米中のテック企業が世界各地に巨大AIデータセンターを建設し続ける構図は、まるで21世紀のデジタル版軍拡競争の様相を呈している。

AIを巡る国際競争が激化する中、注目を集めているのが「ソブリンAI」だ。AI主権とも訳されるが、各国がAI技術を他国に依存せず、自国のインフラ、データ、人材を使ってAIを開発・運用する取り組みを指す。

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