中国で旧日本軍《731部隊》題材の映画が公開…反日感情への影響は?「被害者意識」について北京の"政府系機関紙"編集者と議論してみた

中国では9月18日に映画『731』が公開された。731部隊を題材としている本作から、日中関係を改めて考えていく(写真:筆者友人撮影)
9月18日朝9時過ぎ、北京の友人から映画『731』のチケットの写真が送られてきた。その日は『731』の初日公開で、最初の上映開始時刻は「9時18分」。そこまで数字にこだわる必要があるのかと、少し戸惑いを覚えた。
1931年9月18日は柳条湖事件が勃発した日であり、中国では「国辱の日」とされている。毎年この日には各地で式典が行われ、そこにはナショナリズムの高揚感が垣間見える。
映画『731』を観た友人の感想
中国メディアによると、映画『731』は、1945年、抗日戦争末期のハルビンを舞台にしている。旧日本軍の731部隊が「給水防疫」を名目に、密かに細菌戦の研究を行っていた様を描く。
本作を観た筆者の友人は、淡々と感想を述べた。
「スクリーンには凍傷や火傷、ペストの惨状、赤ん坊の死体など、恐ろしい映像が次々と映し出された……。上映が終わると、観客は皆黙り込んで、映画の良しあしについて口を開く者はいなかった。731部隊を知るには、むしろ日本の作家・森村誠一の『悪魔の飽食』を読んだ方が理解を深めるだろう」
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