中国で旧日本軍《731部隊》題材の映画が公開…反日感情への影響は?「被害者意識」について北京の"政府系機関紙"編集者と議論してみた

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「日本は多くの反戦映画を制作しているのに、なぜ中国には輸入されないのか。本当に残念でならない。1950年代の日本映画『二十四の瞳』(1954年)は、かなり以前に中国で上映されたことがあり、私はテレビドラマ版も観たことがある。戦争の描き方がとても粋で、心に残っている」

友人の仕事は日本に関わっており、日本文化にも造詣が深い。自然と昔の日本の戦争映画を懐かしく思い出したようだ。

映画「731」ポスター
映画『731』のポスター(筆者友人撮影)

この夏、日中で多くの戦争題材物語が公開された

2025年、日本は終戦から80年の節目を迎え、中国では「中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年」となる。7月から9月にかけて、日中双方で戦争を題材とした映画・ドラマが集中的に公開された。

日本では、7月公開のドキュメンタリー『黒川の女たち』や8月1日の『長崎―閃光の影で―』、8月15日の『雪風』、さらに9月19日の『宝島』など、多様な角度から戦争の記憶を掘り下げる映画が相次いだ。満州開拓団女性の証言、原爆被害、復員輸送、そして戦後沖縄の姿まで、扱うテーマは幅広い。

一方、中国でも多くの抗日戦争映画やドラマが公開され、『南京写真館』や『731』をはじめ、日本軍の残虐性や中国大衆の抵抗を強調する作品が目立った。

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