中国で実家を出ず"親から給料を貰う"《専業子供》が流行る"深刻な事情"。親から家事の報酬で"月8万円"得る「33歳女性」などにリアルを聞いた

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専業子供
中国では「専業子供」という言葉が流行している。社会への抵抗として“無為”を選ぶ「寝そべり族」とは異なり、「専業子供」は家庭内で介護などの役割を担い、その対価として親から給料を貰っている。※上記はイメージです(写真:Fast&Slow / PIXTA)
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「専業主婦」という言葉には耳なじみがあると思うが、「専業子供」は聞いたことがあるだろうか?

これは中国で近年注目される流行語「全职儿女(フルタイムの息子・娘)」の訳語だ。大学を卒業しても就職せず、実家に暮らしながら親の世話や家事を担い、その代わりに生活費を受け取る20〜40代を指す。いわゆる一人っ子世代。

この言葉は2023年初めからSNSやネットメディアで急速に広まり、特に就職シーズン(6〜9月)には大きな話題となった。背景には、若者の就職難、都市生活の高コスト、親との同居の増加といった事情がある。いまや単なる流行語を超え、若者の生きづらさや社会構造への問いを投げかける概念として定着しつつある。

「大学卒業=失業」と揶揄されるほどの就職難

「専業子供」が今年もさらに増えると予測される背景には、若者(16〜24歳)の失業率の高さ(2025年7月時点で17.8%)、そして過去最多となった大学卒業生1222万人(昨年より43万人増加)という現実がある。昨年、大卒者の就職率は55.5%で、「卒業=失業」と揶揄されるほど、若者の就職難が深刻だ。

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