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〈初手は不動産〉JR東日本と伊藤忠商事が「異色提携」/見据えるのは「多方面での協業」で生活インフラ領域全般か

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JR東日本と伊藤忠商事の会見
高輪ゲートウェイシティ(東京都港区)で2025年12月23日に行われたJR東日本と伊藤忠商事の共同会見。両社長ともに提携のメリットが大きいことを強調した(写真:編集部撮影)

出自の異なる両社が、ガッチリと握手を交わした。

鉄道最大手のJR東日本と大手総合商社の伊藤忠商事は2025年12月23日、不動産事業分野における戦略的提携で基本合意したと発表した。両社の子会社であるJR東日本不動産と伊藤忠都市開発の経営統合に向けて検討する。26年春の統合実現を目指し、協議を加速させる。

JR東日本が総合商社を相手に、事業子会社の経営統合を視野に入れた戦略的提携を結ぶのは初となる。人口減少や建設コスト高騰という共通の課題に直面する中、互いのアセットを掛け合わせることで、不動産事業を「成長のエンジン」へと昇華させる狙いがある。

発表と同時に行われた記者会見において、JR東日本の喜勢陽一社長は「駅を中心とした街づくりに加え、駅から離れた場所での街づくりがこの提携で広がる。これまで進出してこなかった新たなアセットタイプを加えることで、バリエーション豊かな大規模開発が可能になる」と強調した。

伊藤忠商事の石井敬太社長も、「大手鉄道会社と総合商社という事業モデルや企業文化の異なる両社の提携は、お互いのこれまでの枠組みを超えた新たな視点や発想によるイノベーションの可能性を秘めている」と、異業種連携による効果に期待を寄せた。

JR東日本で不動産事業は成長の牽引役

JR東日本にとって、今回の提携がもたらす戦略的価値は大きい。同社は現在、「モビリティ(鉄道事業)」と「生活ソリューション(不動産や流通などの事業)」による「2軸の経営」を推進している。

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