生活関連事業の拡大を打ち出しているJR東日本。喜勢陽一社長が頭に描く主要事業の新しい姿とは。
Q 不動産事業で「回転型ビジネス」を推進する意味は?
Q Suica経済圏の最大のライバルはクレジットカードでは?
Q 鉄道運賃の値上げについて、JR東のスタンスは?
Q この先の「脅威」として想定しているものは?
――6月に公表した中長期ビジネス成長戦略で、金融、不動産、小売りといった生活関連事業の強化を掲げました。その狙いは?
目指すのは「2軸の経営」だ。われわれは長い間、鉄道事業を主軸として経営してきたが、コロナ禍で脆弱性が露わとなった。お客様の生活の行動や価値観が変化するなどマーケットが変質してきた。それを踏まえて、鉄道を中心としたモビリティ事業と生活ソリューション事業の2軸で成長戦略を描いていく。
戦略のべースになるのはモビリティのネットワーク(鉄道インフラ)。加えて、Suicaの(ビジネスの)可能性を広げる目的で金融サービス業への進出を掲げていたが、今年5月に実現できた。
Suicaは「移動のデバイス」として出発したが、これをお客様の生活とさまざまな領域でつながる「生活のデバイス」にしていく。お客様と幅広い接点をつくり、「Suica経済圏」を、いや「Suica生活圏」のほうが私自身は正確な意味合いがあると思うが、お客様の日常生活と結びつきの強い生活圏をつくっていく。
JREバンクは40万口座に迫る
――接点強化の1つであるJREバンクは、サービス開始と同時に話題となりました。
Suicaは移動のためのデバイス=単なる板(カード)ではなくて、われわれの提供しているサービスの「ブランドイノベーション」として位置づけていく。
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