都心一等地で進められてきた大規模開発。JR東日本の「ビッグプロジェクト」がいよいよ姿を現そうとしている。
カンカンカーン、ガラガラガラ――。今年8月初旬、JR山手線・高輪ゲートウェイ駅の改札を出ると、周辺に工事の音がこだましていた。ガラス窓の通路を抜けて、町側に降りていく。すると建物の躯体が浮かび上がってきた。
東京都港区の駅前一等地で行われている大規模開発プロジェクト、「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」。JR東日本が総額6000億円を投じて挑む、まさに社運を懸けた都市開発だ。
現在、来年3月のまちびらきに向けて急ピッチで工事が進められている。「(まちびらきの2025年は)JR東にとって非常に重要な位置づけの年になる」と、JR東日本の伊藤敦子常務は力を込める。
急激な資材高や作業員の人手不足に悩まされながらも、工事の進行は順調だ。JR東マーケティング本部まちづくり部門の天内義也マネージャーも表情が心なしか明るい。
開発区の総面積は東京ドーム2個分
「先行開業する『THE LINKPILLAR 1』(「NORTH」「SOUTH」の2つの高層ビルで構成)の工事はスケジュール通りに進んでいて、今は内装工事の段階。このままいけば来年2月頃には工事完了検査を迎えられる予定」
天内氏は実に15年にわたって、高輪ゲートウェイシティの開発に携わってきた。駅から建物につながる通路が整備されていくにつれ、「これが街の一部になるんだ、と感慨深くなることもある。大規模な開発でありながら、なんとか15年という期間でまちびらきにこぎつけられそうだ」と語る。
鉄道インフラを基盤にコングロマリットを形成するJR東。現在、不動産や小売り、金融事業といった生活関連事業の拡大を中・長期成長戦略の中核として掲げている。高輪ゲートウェイシティの開発は、その新成長戦略の「カギとなるビッグプロジェクト」(天内氏)という位置づけだ。
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