「中野サンプラザ」建て替え計画が"迷子状態"の訳 事業費が当初計画ほぼ2倍で内容が次々変更

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(写真:編集部撮影)

2023年7月に50年の歴史に幕を下ろした中央線中野駅前のランドマーク、中野サンプラザの建て替え計画が迷走している。2024年12月には事業費の高騰から再開発計画の見直しが行われ、住宅部分を増やすことで採算性を確保したいという新たな案が事業者から提案されたが、その後、2025年1月にはツインタワーにする案も。何が起きているのか。

築40年ごろから建て替えが意識されていた

中野サンプラザ(以下サンプラザ)は、1973年に旧労働省が所管していた特殊法人・雇用促進事業団が勤労者福祉施設として建設したもの。設計はパレスサイドビルディングや新宿NSビルなどを手掛けた日建設計の林昌二氏で、同氏はこの建物の構造体は200年持つことを意図して設計したとされる。

だが、サンプラザの建て替え自体は当時の田中大輔区長のもとで2011年3月に策定された「区役所・サンプラザ地区再整備の基本的方向」、2012年6月の「中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3」に「区役所・サンプラザ地区との一体的整備」などというぼんやりした言葉で盛り込まれていた。役所的には区民の間で話題になるはるか前、200年どころか築40年になる前から建て替えが意識されていたようなのだ。

そのサンプラザ建て替えが広く関心を集めるようになったのは2018年6月の区長選。サンプラザと区役所を解体し、1万人規模のアリーナを中心とする複合施設の建設を計画する田中氏に対し、区政の刷新、サンプラザ建て替え再考、あるいは中止を訴える3氏が立候補。そのうち、現職の酒井直人氏(元区職員)が当選した。

選挙期間中の酒井氏陣営は中野駅周辺の再開発に慎重な姿勢を表明しており、応援演説に立った議員のうちには「サンプラザを残しましょう」という発言をした人もいたと複数の中野区民から聞いた。 

【写真と資料】どんどん変わっていく中野サンプラザの建て替え計画
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