JR東日本がデジタル戦略を一段と加速する。10年後の青写真として描くのは「鉄道だけが中心ではない」事業体への変貌だ。
今年6月。東京・新宿に構えるJR東日本の本社で、ある組織がひそかに立ち上がった。
組織名は「デジタルビジネスユニット」。デジタルやネット通販モールの担当者など数十名の精鋭が集められたタスクチームだ。本社にある5本部の1つ「マーケティング本部」の戦略・プラットフォーム部門に設置された。
JR東はこの先、交通系ICカードの「Suica」を軸にしたデジタル戦略を加速する。グループ内のサービスごとにかつては20以上もあったIDを2027年度に統合し、2028年度に「Suicaアプリ」(仮称)を投入する算段だ。グループの各種サービスが境目を感じることなく利用してもらえる環境を整えることで、「Suica経済圏」を拡大する戦略を描く。
タスクチームはこの戦略の実現に向けて、顧客とJR東グループのさまざまなサービスをつなぎ、独自のユーザーエクスペリエンス(UX、ユーザーが得る体験)を提供する役割を担う。顧客の潜在需要を探るためのヒアリングを実施しながら、デジタルサービスの開発にすでに着手している。
「スマホの先」も見据える
マーケティング本部の松本貴之マネージャーと橋本久義マネージャーは次のように話す。ともにタスクチームを率いるメンバーだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら