鉄道インフラを基盤とする巨大複合企業のJR東日本。データからその実像を捉えてみた。
「JR東は打つ手がはやい。われわれがぼんやりと考えていることをつねに一歩先に構想し、実現化しようとしている」。JR西日本のある社員はこう語る。
JRグループの中でも筆頭的な存在のJR東日本は、国内では類を見ない鉄道インフラを基盤とする巨大コングロマリット(複合企業)を形成する。
現在の中核事業は鉄道を主とする運輸だ。東日本エリアの1都16県に鉄道網を張りめぐらし、東北・上越・北陸・山形・秋田の5新幹線を持つ。山手線を軸とする首都圏の在来路線がドル箱だ。
2023年度の運輸セグメントの営業収益(売上高)は1兆8536億円。東急の2136億円(交通事業)、阪急阪神ホールディングスの2032億円(都市交通事業)と私鉄各社を凌駕するだけでなく、JR東海の1兆4083億円、JR西日本の9864億円を上回る。
不動産や流通でも一定の存在感
運輸以外の「非運輸事業」の双璧は不動産・ホテルと流通・サービスだ。
不動産・ホテルでは、東京駅や池袋駅など主要駅に近接する「メトロポリタンホテルズ」や駅に隣接する「JR東日本ホテルメッツ」を展開。東京都内を中心にオフィス賃貸も運営する。
同セグメントの営業収益は4058億円。あくまで単純比較だが、ヒューリックや東京建物といった大手デベロッパーに匹敵する規模だ。
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