中国で実家を出ず"親から給料を貰う"《専業子供》が流行る"深刻な事情"。親から家事の報酬で"月8万円"得る「33歳女性」などにリアルを聞いた

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上海市の陳さん(23歳・男性)はこう語る。

「私は『専業子供』というより、『兼職子供』だろう。親に完全に頼るわけにはいかない。実家に一時避難中……大学を卒業したが、理想の仕事が見つからず、今は大学院進学の準備をしている。週に3日間はデリバリーで働き、ほかの日は家事を手伝う。両親から少しだけお小遣いをもらう」

親から家事の報酬として月8万円もらう33歳女性

福建省に暮らす荘さん(33歳・女性)の朝は早い。午前6時にはすでに台所に立ち、両親の朝食を支度する。その後、両親が仕事に出かけると、荘さんは家事を片づけ、買い物の準備に取りかかる。

荘さんは毎月、両親から「給料」として4000元(約8万2000円)を受け取っている。彼女にとって、3食の準備や家事は、自分を育ててくれた両親への恩返しだ。周囲から「家に逃げている」と言われたこともあったが、彼女はそれを「恥」とは思っていないと語る。家族と共に過ごす時間に、満足しているようだ。

荘さんはかつてIT企業で事務の仕事をしていたが、コロナで経営が悪化し、多くの同僚とともに解雇された過去がある。

上海の大学教授(50代・男性)は、若者の就職状況についてこう分析する。

「いまの中国では、大専(短期大学や専門学校)を卒業し、関連資格を取得している方が、一般の大学卒よりも就職に有利な場合がある。給与面でも大専卒の方が高い傾向すら見られる。だから大学を卒業した後、大専に進学する人もいる」

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