帰宅したら死んでいた猫、今も消えぬ喪失感。《韓国の人気エッセイが綴るペットとの暮らし》。いつかは別れの日が来るとわかっていてもーー
老いた猫たちとの暮らし
猫が「ニャオーン」と鳴くというのは、猫をよく知らない人たちの間で広まっている誤解だ。
実は、猫は「ウァーン」と声をかけてきて、「ウゥーン?」とあいさつし、時には「オンマ(母さん)!」「オンニ(お姉ちゃん)?」「ウェエ~(なんでよ〜)」と叫んだりもする。
18歳の誕生日を過ぎた私たちの1番目の猫、ハクは毎朝、「ウォォォォッ!」と沸き起こる怒りによって人を起こす。「おなかすいた。早くごはん出しやがれ!」という意味だということは誰が聞いてもはっきりわかる。
1日2回飲ませなければならない薬と栄養剤があるので、心不全猫用のウェットフードといろいろなおやつを混ぜてあげるのだけれど、毎回少しずつ材料に変化がないと興味を示してくれない。
器にもうるさくて、平べったいお皿のふちに余白をたっぷり残し、ちょこんと真ん中に見栄えよく盛ってさしあげないと、においだけかいでツンとそっぽを向いてしまう。
私たちは、格式高い高級レストランでコース料理を提供するシェフのように、毎日慎重にマグロや鶏むね肉のキャットフードを選び、スプーンで潰して食べやすく盛り付け、さらには貝柱のスープをかけて出すけれど、「これじゃない、これじゃないんだってば」という悪評に挫折することも少なくない。
そのたびに、ごはんの上にペースト状のおやつを少し絞ったり、カリカリしたスナックを細かく砕いて載せたりしながら別のきれいなお皿に移し替えるなどあらゆる努力をする。気がつくと、いつの間にか猫の食器の洗い物が人間の食器よりもたまっている。


















