世界遺産の「猫の街」へ絶景と至福の時間を求めて モンテネグロ・コトルの中世の町並みと地域猫

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コトル
モンテネグロのコトルは、時代とともにさまざまな文化の影響を受けて発展を続けてきたアドリア海の要衝だ(写真:pespiero/PIXTA)
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ベトナムの古都ホイアンに灯る色鮮やかなランタン、世界遺産の始まりとなったエジプトのアブ・シンベル神殿、オランダ・リッセで見つけたチューリップの楽園 ――。
世界がくれた美しい風景に出会う旅』は夫婦ともに元国際機関の職員である著者が、仕事や休暇で訪れた国々の魅力的な風景を集め、その街の魅力を余すことなく伝えたフォトエッセイです。
一度見たら忘れられないファンタジックな写真とともに、その国の人々のくらしを4回にわたってお届けします。

世界遺産コトル旧市街は猫の街

モンテネグロのコトルの歴史は古くローマ時代にまで遡り、古くから交易都市として多くの交易船が行き交い繁栄してきた。アドリア海に面する複雑な入り江の最奥部にある天然の良港としても知られる港町で、時代とともにさまざまな文化の影響を受けて発展を続けてきたアドリア海の要衝だ。

17世紀に建てられた大時計のある中央広場や、異国情緒ある石畳が敷かれるコトル旧市街を歩くと、往時の面影に酔いしれることができる。世界遺産にも登録されている中世の街並みが有名なコトル旧市街だが、実は猫の街としても知られている。

街全体を徒歩でまわれるほどにコンパクトな旧市街を気分のままに歩いていると、いたるところで猫たちと出会う。道には猫用の水飲み場、餌場、簡易シェルターなども設置されており街全体で猫を大事にしていることが伝わってくる。

ここで出会う猫たちのくつろいだ表情がまた格別で、この街で暮らすことに心から安心していることが見て取れる。さらに、行政と住民が協同で保護猫活動を行っていたり、お土産の猫グッズの売り上げの一部を活動資金に充てていたり、街をあげて地域猫を大切にしていることがわかる。

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