「やっぱり疲れますよね」――。立ち食いで一世風靡した『俺のイタリアン』シリーズ"激変した今の姿" ピーク時は月商1900万円の店も
2010年代半ば、夜の街に旋風を巻き起こした立ち食いスタイル。あえて立席とすることで、スペース効率と回転率を稼ぎ、その分、原価率を高くし質のよい商品で勝負する。いわば薄利多売のビジネスモデルだ。
このモデルの元祖と言えるのが2011年にスタートした「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」など「俺の」系列のブランドだ。
星付きレストランのシェフの味をお得に味わえるということで、一時は数時間並ばなければ入れないほどの人気に。1号店の新橋本店は、月商1900万円を叩き出したこともあるという。原価は平均80%、メニューによっては120%になっていることもあった。当時は連日メディアなどで取り上げられていた。
大旋風を巻き起こした「俺の」ブランドだが、「最近見ていない」「しばらく行っていない」という人も多いのではないだろうか。お店はどうなっているのだろうか。実は、立席スタイルはもうやっていないという。俺の代表取締役会長立石寿雄氏、代表取締役社長の桜井暁史氏に現状について話を聞いた。
慌ただしい空気はまったくない店内
実は筆者は「俺の」未経験者であったが、執筆にあたり「俺のフレンチ グランメゾン 大手町」で食事をしてきた。
複合ビルの地下2階、小さめで隠れ家感のある入り口を入ると、高い天井と開放的な空間が開けた。グランドピアノのあるステージに向かって、1階、中2階と立体的にテーブル席が設えられている。座席は座り心地のよいソファ。立ち食いスタイル全盛の頃からイメージしていた、慌ただしい感じはまるでない。
クラシック曲やクリスマスソングなどのピアノの生演奏が流れる中、平日限定のランチメニュー『ご褒美ランチ』(4800円)を堪能した。
まず運ばれてきたのが乾杯ドリンクの「なみなみスパークリング」。平日の昼間なので、残念ではあったがノンアルコールをセレクトした。メニュー名に違わず縁までたっぷり入っていたため、乾杯は省略。ブドウを使ったもので、ワインのような酸味とコクがあり甘さも控えめだ。十分にスパークリングの気分を味わえた。


















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