「やっぱり疲れますよね」――。立ち食いで一世風靡した『俺のイタリアン』シリーズ"激変した今の姿" ピーク時は月商1900万円の店も

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カクテル仕立ての冷前菜はコンソメジュレにカリフラワーのムースを合わせたもの。2つの食感と味わいのハーモニーが楽しい。彩り豊かなサラダは、バルサミコドレッシングで口をさっぱりさせてくれる。パンは「俺のBakery」のものでおかわり自由だ。

「俺のフレンチ グランメゾン 大手町」店内
「俺のフレンチ グランメゾン 大手町」店内(写真:俺の)

メインは牛フィレ肉のポワレ赤ワインソース。きれいなバラ色に仕上げられており、ナイフを入れると少し引っかかったが、かむほどに口にうま味が広がる、ちょうど良い弾力だ。

前菜、メインともに盛りがいいのに驚いた。フレンチのコースというと、この半分ぐらいの量のイメージがある。デザート、食後の飲み物と合わせ4800円は確かにお得だと感じた。デザートなしなら3800円なので、甘党でなければこちらでもいいかもしれない。

1日に100万円売り上げるお店も

それにしても、立ち食いで一世を風靡した「俺の」がなぜこうなっているのだろうか。

投資ファンドのネクスト・キャピタル・パートナーズが全株式を取得してからおおよそ1年半。11月29日(イイニクの日)にオープンした「俺のステーキ 恵比寿」で、俺の代表取締役会長立石寿雄氏、代表取締役社長の桜井暁史氏に話を聞いた。

立石氏は、ネクスト・キャピタル・パートナーズの社長と俺の社長を兼務してきたが、11月1日より、俺ののほうは会長に就任。現場出身の桜井氏が社長に昇格し、2人体制になった。

2025年10月期の売上高は103億4600万円、経常利益は2億7300円を見込む。コロナ禍は売り上げが半減したものの、アフターコロナはインバウンド需要で回復に転ずることができ、前期(2024年10月期)から2019年10月期の業績を上回った。

ステーキ
(撮影:梅谷秀司)

「俺の」といえばフレンチやイタリアンのイメージが強いが、実は創業当初から焼肉やそば、和食など、さまざまな業態を展開している。2024年11月には、親会社のネクスト・キャピタル・パートナーズが保有していた焼き鳥店などを運営するオリーブと合併し店舗を増やした。現在の系列店は、10業態65店舗となっている。そのなかでも、とくに力を入れているのは肉の業態だ。

「インバウンドによって焼肉業態がすごく伸びた。収益性も高い。1日に100万円売り上げる店もある。焼肉業態7店舗のうち、4店舗は直近2年でオープンしている」(立石氏)

ステーキを焼く様子
ステーキは立てて焼けるほどの厚みにカットするのがこだわり(撮影:梅谷秀司)

客が焼く焼肉に対し、店で焼いて提供するステーキは同じ素材で提供の仕方が違うだけの、背中合わせのような関係にあると考えているそうだ。しかも焼肉は排気システムなどの工事が必要で、店舗展開にコストや時間がかかるが、ステーキは開店効率がいい。

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