朝ドラ≪あんぱん≫戦争を克明に描き「見るのがつらい」「切なすぎ」の声も。「戦時の正義に染まったヒロイン」映す本作の“人気の秘密”は?

近年、世の中的な話題になる良作が続いているNHK連続テレビ小説。そんななか、今期放送中の『あんぱん』も人気を博しており、とくに年配層を中心に高い支持を集めている。
その理由のひとつは、戦争の描き方だ。当時を生きた市井の人々の視線から、軍国主義社会の戦時中の生活も徴兵された家族の死も、まるで身の回りの出来事のような距離感で映し出す。
登場人物たちの感情に思いを寄せれば、当時の戦争と真正面から向き合うことになり、その時代を生きた人々のことを考える。戦後80年の年にふさわしい、反戦と平和への祈りをメッセージとして込めたドラマになっている。
過酷な現実を市井の人々の視線で描く
本作は、『アンパンマン』作者である遅咲きの漫画家・やなせたかしと小松暢の夫婦をモデルに、幼なじみだった2人が戦前、戦中、戦後と激動の時代を生き抜き、“逆転しない正義”を体現するアンパンマンにたどり着くまでを描く。
主人公の柳井嵩(北村匠海)は、ちょっと気が弱くておとなしい。仕事にも自分にも自信を持てないところが頼りなく見えるときもあるが、心には芯が通っていて誰よりも優しい。
一方、ヒロイン・のぶ(今田美桜)は、子どもの頃からやんちゃで気が強く、いつも猪突猛進。正義感が人一倍強く、周囲を明るくするような元気あふれる女性だ。

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