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〈渦中の1年〉フジテレビ「なりふり構わぬ構造改革」/蒸発したCMスポンサーは8割以上に戻る/コンプライアンスやガバナンスでは一定の成果

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フジテレビが実施した研修
フジテレビが実施した研修の様子。社員たちの意識も大きく変化したという(写真:フジテレビ)

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デジタル特集「フジテレビ再生への挑戦」の2回目は、約1年間に及んだ改革の全貌と成果、そして今後の課題について取り上げる。
1回目 12月23日配信『フジ清水社長が明かす事業改革と大株主との対話』

2025年5月、東京・台場のフジテレビ本社。22階にある会議室には、制作部門やコーポレート部門などさまざまな部署の社員約100人が集まっていた。10人ずつのグループに分かれ、議論をするためだ。

「今日はフジテレビの何が問題だったのか、そして何を変えなければならないのかをテーマに、チームごとに議論してください」。冒頭に指示が出ると、出席した社員たちはそれぞれの思いを口にし始めた。

「私たちが当たり前と思うようなことも、一般の会社では常識ではないのではないか」「指示するときは口頭ではなく、文書に残したほうがいいのでは」

この対話研修を主催したのは「再生・改革プロジェクト本部」。本部メンバーでもあったコンプライアンスの現責任者によれば、社員からはこのような意見が聞かれたという。

このミーティング、実は元タレントによる性加害トラブルを受けて、フジテレビが5月から実施していた全社グループ対話研修での1コマだ。

フジテレビが抱えていた問題点はもちろん、今後の改革について社員自身が見つめ直し考えていこうという趣旨で開催。全社員の参加が義務づけられ、海外や地方支局の勤務者などが出席しやすいよう早朝深夜のオンライン枠も用意した。7日間で合計23回、1200人以上が参加したという。

一時はCMがほぼ自社広告とACジャパンに

ちょうど1年前の24年12月、元タレントによる性加害トラブルを週刊誌が報道。問題の発覚によってフジテレビは存亡の危機に追い込まれた。

フジテレビは初手から誤った。テレビカメラでの撮影を禁止した記者会見が火に油を注ぎ、仕切り直しの「10時間超会見」で港浩一社長(当時)らが辞任を表明するに至る。

その後、25年3月末に第三者委員会が元タレントの行為を「性暴力」と認定する。被害者の人権に配慮しなかった会社の対応も露呈したことで、ほぼすべてのスポンサーが離れてしまった。

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