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〈大株主の直言〉レオス藤野社長「フジ・メディアHDの経営陣刷新は評価するがもう一押し必要だ」

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レオス藤野英人社長
レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長(撮影:尾形文繁)
SBIレオスひふみの傘下で投資信託「ひふみ」シリーズを運用するレオス・キャピタルワークス。フジテレビが1回目に開いた「静止画」のみ会見の後からフジ・メディア・ホールディングス(HD)の株式を買い始め、今年2月に約5%を保有する大株主となった。
3月27日のフジ・メディアHDとフジテレビの経営陣刷新の発表、さらに3月31日に第三者委員会が公表した調査報告書を大株主としてどう受け止めたのか。レオスの藤野英人社長を直撃した。

──第三者委員会の調査報告書を読んで、どのように感じましたか。

途中まで読んだところだが、予想以上にフジテレビにとって厳しい内容だったというのが率直な印象だ。当初、フジテレビ側に忖度した報告書が出てくるのではないかと思われていたが、そうではなかった。

調査報告書では、元タレントの中居正広氏が起こしたトラブルについて「性暴力」と断じている。フジテレビはそういう行為をした人をかばった。多くの人は「おぞましい」とさえ感じるだろう。今回の報告書で組織としての異常性が浮き彫りになったと考えている。

このおぞましさを払拭しないとCMスポンサーも戻ってこない。われわれも投資家から「女性を蔑視する会社になぜ投資するのか」といったお叱りを頂戴することがある。調査報告書を読む前は、経営陣の改革は十分かなと思っていたが、もっと必要だと考えを改めた。

清水社長は信頼できるが「業界の人」

──日枝久取締役相談役の退任をはじめとした経営陣刷新だけでは足りないということですか。

われわれは若返りを始めとする経営陣の大胆な刷新を求めていた。これまでの役員の退任と併せて若い役員の起用を打ち出しており、100%の回答を頂いたとは考えている。グループの実力者であった日枝氏の退任を決めたことも評価できる。

清水賢治氏がフジ・メディアHDとフジテレビの社長を兼務し、指揮を執ることになったことについても一定の評価をしている。

調査報告書は、とくにバラエティ制作部が関与する会合の席でセクハラ行為が行われていたと指摘している。清水氏はアニメ畑の出身だ。そうした人がリーダーシップを執るという点では一定以上の納得感がある。実際、清水氏とは何度か話をさせていただく機会があったが、信用できる人だと感じている。

ただそんな清水氏であってもフジテレビのプロパー社員で、フジテレビの中で育ってきた人物。調査報告書で明らかになったが、フジテレビの問題はかなり根深く、企業体質や風土を根本から変える必要がある。おぞましさを払拭するための改革を実行できるのかという点では疑問が残る。

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