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窮地のフジに襲いかかる“前門の虎、後門の狼”。旧村上系ファンドに総会後を見据えた不穏な動き

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フジ・メディア・ホールディングスの社屋外観
茨の道が続きそうなフジ・メディア・ホールディングス(撮影:梅谷秀司)

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市場改革の推進や株主の攻勢によって、日本の上場企業は大淘汰の波にのみ込まれている。本特集「上場企業クライシス」では、激変期に突入した資本市場の今をリポートする。

「われわれが示した改革アクションプランを確実に実行するために必要なメンバーを提案した。後は株主の皆さんの判断に従うだけだ」

6月9日、フジテレビジョンの社長で、親会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の次期社長でもある清水賢治氏は、東洋経済の単独インタビューに対してこう答えた。

フジテレビをめぐっては昨年12月、『週刊文春』などの報道によって、元タレントによる女性トラブルが発覚。人権に配慮しなかった対応が問題視され、メディアを限定した記者会見なども火に油を注ぐ形となって批判が集中し、スポンサーが一斉に離れてしまった。

事態を重く見たFMHとフジテレビは、実力者であった日枝久取締役相談役を含む経営陣の刷新や改革案で事態の収拾を図ろうと試みる。しかし第三者委員会が元タレントの性暴力を認定するなど、衝撃的な調査結果を発表したことでスポンサーの姿勢は硬化するばかりだった。

襲いかかるダルトン

震災のような災害ならいざ知らず、不祥事によってほとんどすべてのスポンサーがCM出稿を取りやめるのは前代未聞の出来事。まさに存亡の機に瀕したFMHだったが、新たな難題が降りかかる。アクティビスト(物言う株主)である米投資ファンドのダルトン・インベストメンツの株主提案だ。

ダルトンは、2023年からFMHの株式を取得。24年には、不動産事業のスピンオフ(分離・独立)やMBO(経営陣による買収)による非公開化などを求めていた。だがその際は、FMHが拒否したため引き下がった。

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