「本当に影響がなくなるか甚だ疑問」・・・投資家は納得せず?フジテレビ日枝久取締役相談役(87)退任でもくすぶる火種

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フジテレビ本社
大幅な経営陣刷新を発表し、スポンサーや株主らの理解を求めたものの、火種はくすぶり続けている(撮影:梅谷秀司)

フジテレビジョンと、その親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(HD)の2社は3月27日に取締役会を開き、グループの実力者として経営に大きな影響力を及ぼしてきた日枝久取締役相談役の退任を決定した。

タレントの中居正広氏と女性との一連のトラブルをめぐる対応が問題視された2社は今年1月に第三者委員会の設置を表明。フジ・メディアHD会長の嘉納修治氏とフジテレビ社長の港浩一氏が責任をとって辞任したほか、フジテレビの遠藤龍之介副会長も辞任する意向を示していた。

しかし、その後もスポンサー企業の間でテレビコマーシャルを見合わせる動きが一向に止まらず、業績の大幅な悪化が見込まれるなど苦境に陥っていた。

社長が入院中の日枝氏に人事案を報告

混乱を招いた要因の1つとして挙げられていたのが、グループの実力者である日枝氏の存在だ。

グループ内で多大な影響力を持ってきたとされる日枝氏。写真は2005年(撮影:尾形文繁)

日枝氏は現在87歳。取締役在任期間が41年余りと異例の長期にわたっていたほか、フジサンケイグループの代表も務めるなどグループに大きな影響力を及ぼしてきたとされる。これが今回露呈したガバナンス不全を招いたのではないか、と指摘された。

事情に詳しい関係者によれば、こうした批判を受けていた経営陣は事態の収拾を図り信頼を取り戻すためには、これ以上日枝氏が取締役で居続けることは困難だと判断。取締役会の前日である3月26日にフジ・メディアHD社長の金光修氏が日枝氏の入院先を訪れ、日枝氏の退任を含む今回の人事案について報告したという。

こうした経緯を経て、フジテレビとフジ・メディアHDは3月27日午後から取締役会を開催。日枝氏の退任を決定した。

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