「本当に影響がなくなるか甚だ疑問」・・・投資家は納得せず?フジテレビ日枝久取締役相談役(87)退任でもくすぶる火種

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日枝氏の退任について、取締役会後に会見した金光氏は「新しい人事を決めるうえで、若返りや多用性などを重視した。そうした基準に照らし合わせると日枝氏は対象から外れた」と説明。「早い段階から人事の刷新については任せたと言われており、理解をいただけたと思う」と述べた。

また、フジサンケイグループ代表についても「ここ1カ月以内に(本人から)申し出があった」とし、辞任することを明らかにした。

今回、フジテレビとフジ・メディアHDは日枝氏の退任だけでなく、経営陣も一新する。金光氏が代表権のない取締役会長に退き、フジテレビ社長の清水賢治氏は続投したうえでフジ・メディアHDの社長を兼任する。併せて、フジ・メディアHDの取締役10人と、フジテレビの取締役・監査役20人の退任も決めた。

投資家から上がる疑問や不満の声

実力者である日枝氏のクビを切るなど人事を刷新し、スポンサー企業や株主たちの理解を求めたフジテレビ。ただ、火種はまだくすぶり続けている。中でも注目すべきは、フジ・メディアHDの株式を保有している投資家だ。

ある投資家は、「日枝氏を始めとするこれまでの取締役が退任したことについては一定の評価ができる。しかし本当に日枝さんの影響がなくなるのか甚だ疑問だ。長年に渡ってグループトップに君臨してきた影響が、そんなに簡単に消えるとは思えない」と語る。

別の投資家も「スポンサー企業が一斉に離れるなど前代未聞のことで、経営陣を刷新しただけでは信頼を取り戻すことはできない。抜本的な改革案とセットで確実に実行できなければ株価も戻らないだろう」と不満を隠さない。一部には、投資ファンドがすでに水面下で株主提案を行う構えを見せ、フジ・メディアHDと協議を行っているとの情報もある。

会見の中で清水氏は、今なお7割のスポンサーがCMを再開させるか否かの態度を保留していると明かした。今月末にも公表される第三者委員会の調査結果で示された提案を迅速かつ着実に実行に移さなければ、株主やスポンサーといったステークホルダーからの信用を取り戻すことはできない。フジテレビの窮地はなお続く。

本記事はダイジェスト版です。詳報記事(有料会員限定)は「東洋経済オンライン」のサイトでご覧いただけます。経営陣刷新の具体的な中身や、株主代表訴訟をめぐる動きも取り上げています。

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田島 靖久 東洋経済 記者

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たじま やすひさ / Yasuhisa Tajima

週刊東洋経済副編集長。大学卒業後、放送局に入社。記者として事件取材を担当後、出版社に入社。経済誌で流通、商社、銀行、不動産などを担当する傍ら特集制作に携わる。2020年11月に東洋経済新報社に入社、週刊東洋経済副編集長、報道部長を経て23年4月から現職。『セブン&アイ 解体へのカウントダウン』が小社より24年12月発売予定。

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