オタクは国境を越える!性的描写が厳しいインドネシアでも盛り上がる現地「コミケ」のリアル

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インドネシアのコミケ
インドネシアの「コミケ」は人気を博しており、近隣国からも人が集まっている(筆者撮影)
アニメオタクをこじらせて日本に留学し、卒業後も日本で会社員として働きながら趣味のオタク関係の取材をしている中国人が、駐在先のインドネシアで出会った現地のオタク事情とは? コスプレに身を包み熱気に沸く若者たちの姿から、時には刺激的な性的描写をも含む女性向け、ゲイ向け同人誌の存在まで――現地のリアルな空気感をレポートする。
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日本のアニメや漫画が、海外でかつてないほどの影響力を持つようになったのは周知の事実だろう。ただ、ニュースで取り上げられるのは欧米での盛り上がりが多い。他の地域での熱狂はあまり知られていない。

特に情報が乏しいのが東南アジアではないか。とりわけインドネシアやマレーシアなどの国々は、イスラム教徒が多数を占めており、性的描写に対する規制は厳しいとされる。

筆者は昨年からインドネシアに駐在しているのだが、オタク成分の不足に苦しんでいる。日本では毎回のコミケに参戦するのはもちろん、週末には池袋の乙女ロードに入り浸っていた。こうしたオタク生活はインドネシアではできない。脱オタして一般人になったような気分だ。

だが、熱帯の容赦ない暑さと慣れない仕事は、私の体力とメンタルをじわじわ削っていく。平日は職場とアパートの往復ばかり。休日は引きこもり。そんな日々にオタクの血がうずき始めた。

同人誌が読みたい……BL(ボーイズラブ)が読みたい……。

BL成分の摂取があまりに不足したからだろうか。勤務中に天の声が聞こえてきた。

「はちこよ……行きなさい……インドネシアのコミケに行きなさい」

その声に導かれるように、検索してみると、Comic Frontier(コミック・フロンティア)、通称コミフロという同人誌即売会があるではないか。開催日はなんと翌日!準備など何一つしていないが、ともかくBL成分を摂取したいと突撃することにした。

実家のような安心感、コミフロはガチだった

コミフロは、インドネシアで最大規模を誇る同人誌即売会イベントだ。年2回、ジャカルタ郊外の国際展示場インドネシア・コンベンション・エキシビション(ICE)を一部貸し切って2日間にわたり開催される。会場は私が住む南ジャカルタから約30キロ、渋滞がなければ車で1時間の距離だ。

現地に向かうタクシーの車内で、Webカタログを確認した。サークルごとに、サークルカット(イラスト付きサークル名紹介)、ジャンル、頒布物、年齢制限などの情報が表示されている。

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