7人の日本人漫画家と同人誌の出版スタートアップ代表が語る、熱心なインドネシアファンの実態。グローバルに展開されるオタク市場

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インドネシアのコミケで準備する日本人漫画家
インドネシアのコミケには日本人漫画家も参加している(写真:水谷代表提供)
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インドネシア版コミケこと、Comic Frontier(コミック・フロンティア、通称コミフロ)。そのイベントの内容、出展物、参加者については7月8日の記事で紹介したが、今回の記事ではコミフロに参加した日本人漫画家のインタビューをお伝えする。

今や世界各地でオタクイベントが開催されているが、その内容は各国ごとにかなり異なる。たとえば私の出身・中国では、集客の目玉として日本のアニメ関係者、声優、イラストレーターをゲストに招くのが定番。また、同人市場が成熟している台湾では、日本のアニメやゲームの制作会社、出版社によるプロモーション活動が盛んだ。台湾最大規模のイベント「Fancy Frontier」(ファンシー・フロンティア)には、日本語での案内ページやサークル参加申請の代行など、日本からの参加を後押しする仕組みが整っている。

これらと比べると、コミフロでは日本企業や日本サークルの存在感が小さい。アニメ制作会社の公式ブースは過去に数社あった程度。ゲストアーティストや声優も毎回2、3人にとどまる。前編で述べたとおり、日本の影響が強いイベントなのに日本人の姿はほとんどないのだ。

それだけに、日本人マンガ家に出会えた衝撃は大きかった。日本企業DouDouDoujinの水谷翔一郎代表が7人のマンガ家と一緒にサークル出展していた。あまりにも気になったので、ノーアポで突撃取材。売り子として通訳の手伝いをすることを条件に密着取材させてもらった。

日本人マンガ家7人がインドネシアに参戦

日本からコミフロにやって来たマンガ家は根田啓史(@dorori_k)、肝井豚男(@02311201dane)、奥橋睦(@mtm_okbs)、矢野トシノリ(@hosimaki)、ヤギ君(@yagikunn1733)、花森バンビ(@gazeRR18)、カヅチ(@ninamorieri)の計7人。DouDouDoujinの水谷代表をあわせて8人のチームだ。

インドネシアのコミケ
漫画家によるイラストボード。ファンとの交流を呼びかける文言も並ぶ(写真:水谷代表提供)
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根田先生や矢野先生はすでに何度もコミフロに参加したベテランだが、初参加の先生もおり、DouDouDoujinとしてサークルに参加している。

一般サークルは机半分に椅子2つという割り当てだが、商業・大手サークルとしての参加なので3m×3mのコーポレートブースを2区画連結した大型スペースである。頒布しているのは個人の同人誌と、DouDouDoujin発行の同人雑誌、それにポストカードなどのグッズだ。また、マンガ家による有料イラスト依頼(コミッション、日本で言うスケブ)も受け付ける。

コミフロに参加するきっかけを聞いた。きっかけは口コミだったという。

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