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7人の日本人漫画家と同人誌の出版スタートアップ代表が語る、熱心なインドネシアファンの実態。グローバルに展開されるオタク市場

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  • はちこ 「現代中華オタク文化研究会」サークル主
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インドネシアのオタクたちは違う。「複数購入したら、その全てにサインしてとか要求された。日本とは違いますが、インドネシアでは当たり前みたいです」と矢野先生。「確かにサービスを求められるんですが、代わりにめちゃくちゃしっかり感謝してくれるのが嬉しいですね」と肝井先生は話す。

確かにそのとおり。イベント中にしっかり感謝しているほか、イベント後にXで長文のお礼をしているオタクたちが多かった。

また、日本人マンガ家と直接コミュニケーションするのも楽しみのようだ。常連ファンは「◯◯先生はいますか」「日本語はちょっとワカル」「将来日本に留学したい」と雑談する。プロ同士の交流もある。同じくマンガ家として活動するインドネシア人サークルMagnolia Team(マグノリア・チーム)の主宰がやってきて、百合好きの奥橋先生に自作百合マンガをプレゼントし熱く語り合っていた。

感覚や常識の違いはあるが、オタクは「案外日本と変わらない」と矢野先生は分析していた。同じアニメやマンガの影響を受けているという点では共通しているからではないかと推測している。

ヤギ先生も「特定の”好き”を持ってる人」と両国オタクの共通性を感じていた。私自身、通訳をしながら実感することが多かった。OCの自作コスプレ姿で現れたコミッション依頼者が、そのキャラクターの設定や性格を熱弁してくる。あるいは自作イラストを見せながら、「このキャラには本当は泥沼の三角関係があって…」と語り出すも、話途中で時間オーバーとなって残念そうな表情を見せる人。”好き”を語るオタクは饒舌になるのは世界共通だ。

CtoCtoC マンガビジネスの世界展開

最後に、日本マンガ家がコミフロにやってくるきっかけを作ったDouDouDoujinについて紹介したい。同社の主力事業は同人作品の他国展開プラットフォームの提供だ。脚本や小説、マンガを投稿する人と、翻訳版、マンガ化、ボイス付き作品などを作る二次創作者とをマッチングする。キャッチコピーは「マンガと同人誌が読み放題、聴き放題の読書コミュニティ」、世界中のファンが堂々(DouDou)と同人(Doujin)活動を行えるように、そんな思いを込めて名づけられたという。

水谷氏はもともとKADOKAWAグループで海外マーケティングを担当していたが、既存のIP(知的財産)輸出に限界を感じていた。日本企業と海外企業がライセンス契約を交わす、いわゆるBtoB(企業間)ビジネスしか存在していないため、海外の熱烈なファンが翻訳権の獲得やキャラクター利用を申し込んでも対応できない。また、ライセンス契約は手間がかかるため、大きなお金が動く人気作品しか輸出できない。

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