7人の日本人漫画家と同人誌の出版スタートアップ代表が語る、熱心なインドネシアファンの実態。グローバルに展開されるオタク市場
水谷代表はもともと出版大手KADOKAWAグループの社員で、海外マーケティングを担当していた。インドネシア出身の友人から「インドネシアの同人市場はいいぞ」と強く勧められ、一般参加でコミフロを視察した。そこで運営とコネクションが生まれ、サークル参加を後押しされた。
それだけではない。海外イベント参加が趣味という同人サークル主の友達からも「一番売れたのはコミフロ」という口コミを聞いた。それでビジネス的価値を確信し、参加を決めた。
どんどん広がった漫画家の輪
マンガ家の参加も人間関係、口コミで広がっていった。
「マンガ家先生は面白ければ、すぐ友達を呼んできます」と水谷代表。最初にコミフロに誘ったのは根田先生だった。「ホテルを取ったらベッドが一つ余っていたので、どうせなら知り合いのマンガ家を誘おうと思ったのです」。次のコミフロでは根田先生が矢野先生やヤギ先生に声をかけてというように輪が広がっていった。
最初は偶然だったが、今ではインドネシアのポテンシャルに注目していると根田先生は明かす。
「コミフロの参加者は若い20代が中心です。国全体の平均年齢も29歳と若く、アニメやマンガのターゲットそのもの。それに比べて日本のクリエイターがどんどん参加しているなか、オタクの高齢化が進んで人口が減っています。日本市場に合わせて、シニア向けのコンテンツにシフトするのは後ろ向きだと感じました」
若い市場を狙うなら海外を目指すしかない。まず台湾を検討したが、「台湾はめちゃくちゃレベルが高い。日本人のクリエイターもかなり行っているので、チャンスというより競争が厳しい」と根田先生は振り返る。
情報を集めているうちに、DouDouDoujinの水谷代表の誘いもあって最終的にインドネシアにターゲットを絞った。イベント参加に加え、自身のキャラクターを用いた二次創作コンテストを開催している。今後はオリジナルグッズ展開も予定するなど積極的だ。ファンが着実に増えている実感があるという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら