スキーブーム終焉でも潰れなかった老舗が見つけた「強みの掛け算」

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(写真:Mugimaki/PIXTA)
スキーブームの終焉、バブル崩壊――老舗スキーポールメーカーのシナノは、幾度もの市場変化に直面しながらも倒産の危機を乗り越え成長してきた。ヒット商品を次々と生み出し、100年を超えてなお成長を続けるシナノの、新たな市場を切り拓く独自のしくみを探る2回シリーズ。2回目は他社にない自社だけの強み=コアコンピタンスのつくり方を紹介する。
書籍『100年企業「変化」のしくみ』の内容を一部改変して掲載しています。

自社の「強み」を正しく把握しているか?

私たちはこれまで、スキーポール、トレッキングポール、歩行杖、ウォーキングポールと、製造する商品を変えながら事業を継続してきました。

これらには、実は共通している当社のものづくりや技術があります。

それはどれも丸いパイプ(アルミニウムやカーボン)であり、握るモノであり、身体を支えるモノであるということです。

当時、社長であった私の父は、もともと開発畑にいたこともあり、このことを感覚的にわかって事業を展開してきたはずです。

トップダウンで進めた歩行杖やウォーキングポールという新規事業が、まさにその証と言えるでしょう。

企業が進化を遂げるには、自社の「強み」を正しく把握することが欠かせません。

それは単なる得意分野ではなく、「他社には真似できない、自社の核となる能力」、すなわち〝コアコンピタンス〞なのです。

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