オタクは国境を越える!性的描写が厳しいインドネシアでも盛り上がる現地「コミケ」のリアル

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同人誌よりグッズという傾向は、中国の同人即売会と似ている。中国もグッズ(中国語でいうと“制品”)がイベントの主役なのだ。「本」という印刷物は規制が厳しく、頒布するリスクが高かったためである。インドネシアではこのような規制は少ないものの、同人誌は10万ルピア(1000円)以上が相場なので、グッズだとそれよりも安く5万ルピア~35万ルピア(500円~3500円)にできるという価格の面が大きいようだ。

参加者の年齢層も日本とは違う。日本では「コミケの高齢化」が話題になっているが、コミフロの参加者は若い。13〜25歳が最も多く、その次は26〜35歳だという。

若者が多いためか、コスプレ率も日本よりもずっと高い。コスプレするキャラクターは日本の人気アニメから中国のソシャゲ、欧米のインディーゲームまで幅広い。ただ宗教や社会規範の影響だろうか、コスプレしても露出は控えめだった。

日本では入場後にコスプレに着替えるが、インドネシアでは家からコスプレ姿でやってくる人が少なくない。東南アジア名物のバイクタクシーで帰宅している人が多かったが、可愛いコスプレ衣装のまま颯爽とバイクにまたがっている姿はシュールだった。

無修正R18ゲイ向け同人誌をゲットしてしまった……

コミフロで予想外のモノにでくわしてしまった。MAZJOJOさんという方のサークルが販売するオリジナル同人誌だ。カタログに掲載されていたキャラクターがゴージャスだったこと、さらに「BL/オリジナル」「PG」(年齢制限、保護者の助言が必要)という表記に釣られて、真っ先に訪問したのだが、女性向けBLではなく完全に男性同性愛者向けの作品だったことにびっくりした。

インドネシアのコミケ
MAZJOJOさんのブース。筆者にとっても予想外のものが販売されていた(筆者撮影)
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見本誌を何冊かチェックした。透明なビニール袋に入れてあり、中身は確認できないが、帯サイズの白黒サンプルページが差し込まれているので、数コマ程度の内容が確認できる。表紙には「成人向け」と年齢区分の日本語表記が書かれている。日本の同人誌ショップのスタイルとまったく同じだ。

表紙のイラストも、梱包のやり方も、きっちりしている。同人誌は英語版、日本語版の2種類があった。つい「本当にオリジナル作品ですか? それとも、日本の作品の翻訳ですか?」と聞いてしまった。MAZJOJOさんは笑いながら「私の作品です。そう言われると傷つくな」と答えた。

帰宅後、購入した同人誌の中身を確認すると、綺麗で爽やかな表紙とは裏腹の、無修正の男性器とハードコアなプレーが描かれていた。完全な18禁作品で、年齢制限ありだが保護者が監督すればOKというPGの作品ではない。インドネシアのゆるさを感じた。

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