朝ドラ≪あんぱん≫戦争を克明に描き「見るのがつらい」「切なすぎ」の声も。「戦時の正義に染まったヒロイン」映す本作の“人気の秘密”は?

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そんな2人は同じ小学校に通うが、のぶは女子師範学校に進み、高知で小学校教師になる。嵩は東京の東京高等芸術学校に進み、卒業後に徴兵され出征する。終戦後、復員した嵩とのぶは再会し、紆余曲折を経て東京で結婚する。

戦後の日本が復興へ向けて動き出すなか、それぞれの過去を背負いながら、2人にとっての人生の再生につながる新たな道を歩み出す。そんな局面が現在放映中だが、これまでの放送では、そこにたどり着くまでの2人をはじめとした家族や仲間が直面した、過酷で悲惨な戦争の現実をまざまざと映し出してきた。

“愛国主義に傾倒したヒロイン”に視聴者から反感も

正義感と責任感が強いのぶは、戦前、戦中と当時の国の教育や軍国主義社会の空気にどっぷりと染まった愛国者だった。

女子師範学校在学中には、戦地の兵士たちの役に立とうと慰問袋を作って送ることを発案する。そのための献金を街で呼びかけていたところを新聞に取り上げられると、“愛国の鏡”と呼ばれるようになり、学校の師範や周囲から愛国を体現する象徴と目されるようになる。

師範学校卒業後に教師になったのぶは、母校である高知の小学校に着任。子どもたちに愛国心を育むために尽忠報国の精神を教え、家族に赤紙が届いた教え子には、喜んで送り出すように導いた。

あんぱん
今田美桜が演じるのぶ(画像:NHK「あんぱん」公式サイトより引用)
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