"エスコンフィールド生みの親"が語るスタジアム・アリーナ改革の未来…一番の課題はサッカー場運営、「スポーツチームの経営スキルが問われてくる」

行楽地に「街」の要素を取り入れる
――開業から2年半が経ち、来場者も収入も順調に増えています。今後の開発の方向性をどう考えていますか。
2028年に新駅が開業し、北海道医療大学が近隣に移転してくるまでにどこまで開発のスピードを上げていけるかが課題だったが、おおむね目指すべきレベルまで見えてきた。現状の「行楽地化」に、オフィス、学校、住居の増加など「街化」の要素を入れながら、新たな価値が創出されるエリアを実現させていく。
行楽地と日常生活エリアがハイブリッドした形になっていくのが、新駅開業後の第2フェーズの方向性だ。オフィスもマンションも学校も、日常のエッセンスが強い。住む人が増えると、その人たちにとっての日常がそこにある。そこにエンタメ企業として、これまでにない新たな価値をいかに提供できるかだ。
新駅は請願駅として北広島市が整備する約束だが、駅だけできても動線の整備なくしては、宝の持ち腐れになってしまう。われわれも駅から球場までをつなぐペデストリアンデッキ(高架型デッキ)を数十億円かけて整備する。設置してもらう駅の価値を最大限引き上げていく努力をわれわれもしなければならない。
――一方でBPが魅力的になるほどお客さんが敷地の外に出ていかなくなり、住民にとっては渋滞や迷惑駐車が増えるだけだという声もあります。
交流人口はほぼゼロだったこのエリアに、今は450万人規模の来場者が訪れている。そのメリットをどうやって自分のビジネスに手繰り寄せていくかは、事業者それぞれの担う役割が大きいと思う。
日本に12しかないプロ野球チームの本拠地が存在している時点で、ある意味このまちはエッジが立っている。エリアの色合いが変わったのは事実だろう。
もちろん、マイナス面の改善はわれわれが事業者として取り組んでいかなければならないことだが、それが全体の中でどの程度のことなのか冷静に見極めたい。BPの意義はマイナス面にだけフォーカスするのではなく、プラス面とのトータルで判断されるべきだと思う。
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