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〈エスコン誘致の副市長を直撃〉「ボールパークは新住民を呼ぶ看板」「国に求めるだけでは時代は動かない」…北広島市が挑む人口減少下のまちづくり

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川村裕樹(かわむら・ひろき)北海道北広島市副市長/1970年生まれ。札幌市出身。札幌開成高校在学中は4番打者として夏の甲子園にも出場。1989年北海道広島町(現北広島市)入庁。企画財政部長兼ボールパーク推進室長、経済部長などを経て2024年4月から現職(記者撮影)
2023年3月に開業した、北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」。地元の北海道北広島市はファイターズに巨額の財政支援を行い、エスコンを含むボールパーク「Fビレッジ」の建設を後押ししてきた。
年間450万人規模の来場者が訪れ、巨大なビジネスチャンスが生まれている一方、それを生かしきれない事業者や、背を向ける市民もいる。まちの再生には何が必要なのか。長年、ボールパークを推進してきた北広島市の川村裕樹副市長に聞いた。

税金投入批判は“点”の議論

――北広島市はボールパーク(BP)の建設に当たり、土地の無償提供や固定資産税の減免をはじめ、インフラ整備、新駅の建設など、さまざまな支援を行ってきました。BPが北広島にもたらしたものは何ですか。

市長はかねて「投資から還元へ」というフレーズを使っている。2018年からインフラ整備などでBPに投資してきたが、開業3年目を迎え、民間への経済効果を通して税収にも跳ね返ってきている(詳細はこちら)。新駅周辺には500戸の高層マンションの建設も計画され、住居が増えることで定住人口の増加にもつながると期待している。

自治体は長期総合計画などを作ってきれいな言葉を並べがちだが、現実にはなかなか具体策を見いだせない。でも、北広島市にはBPが来た。われわれはBPに依存するのではなく、「BPがあるまち」として何ができるかを考えた。その結果、「最大限の支援をしていこう」と決めて議会にも説明し、納得してもらっている。

――行政が特定の企業を支援するには、つねに「公平性」の壁が立ちはだかります。

その壁をどう突破するかだ。われわれはファイターズを公共財ととらえて、公共的な価値が高いパートナーとしてさまざまな取り組みを一緒に進めてきた。

支援は決して不公平ではない。得られた税収や経済効果はまちの中に還元する。例えば、新駅の建設に税金を投入することに批判の声もあるが、それは点の議論であって、トータルの効果をわれわれや市長がいかに語れるかだ。BPはまちにとって必要だし、必ずまちのためになると、われわれはぶれずに言い続けている。

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