『赤毛のアン』と仕事に何の関係があるのかと思うかもしれないが、マシューとマリラの兄妹が孤児院から子どもをもらうことにしたのは、働き手としてだった。マシューはもう60歳で、農作業の手伝いが必要になったのだ。なので、男の子をもらうつもりだった。ところが、手ちがいがあって、女の子のアンがやってきた。
カスバート家が求める人材にはあてはまらないアン
アンは、マシューとマリラのカスバート家が求める人材には、まるであてはまらなかった。やせていて、空想ばかりしている。子守りは得意だとアピールするが、カスバート家に赤ん坊はいない。
カスバート邸は、プリンス・エドワード島のアヴォンリーという村にあり、緑色に塗ったゲイブル(三角屋根)があるためグリーン・ゲイブルズと呼ばれていた。マシューといっしょに馬車でやってくるあいだに、アンはすっかりプリンス・エドワード島の自然が気に入り、ここに住めることを喜んでいた。しかしその希望は、到着したとたん打ち壊される。




















無料会員登録はこちら
ログインはこちら